病気や手術のあとに体力が戻らない、疲れやすくて手足が冷える。そんなときに名前があがる十全大補湯について、市販で買えるもの、医療用との違い、選び方を添付文書から整理します。
十全大補湯は第2類医薬品として市販されています。クラシエの錠剤は「1/2量」、大杉製薬のジュホトウは「満量」です。ツムラの十全大補湯は医療用(1日7.5g)として出ています。効能は病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血です。
- 十全大補湯は市販で買える(第2類医薬品)
- 市販はクラシエ錠(1/2量)とジュホトウ(満量)など
- ツムラの十全大補湯は医療用(今回の確認では市販品なし)
- 効能は病後の体力低下・疲労倦怠・手足の冷え・貧血など
- 1か月で見極め、合わなければやめて相談
医療用と市販品の違い
| 医療用(ツムラ) | 市販(クラシエ錠) | 市販(ジュホトウ) | |
|---|---|---|---|
| 1日量 | 7.5g | 12錠(1/2量) | 3包・12g(満量) |
| エキス量(1日) | — | 3,100mg | 6,100mg |
| 飲む回数 | 2〜3回に分けて | 1日3回・食前又は食間 | 1日3回・食前又は食間 |
| 長期連用 | — | 記載なし | 長期連用する場合は相談 |
※ 各添付文書より。市販品は15才以上の量です。
満量のジュホトウは、各生薬の量がクラシエ錠の2倍で、甘草(カンゾウ)も1日1.5gです。量が多いほうがよいとは限らないので、体力や持病に不安がある人は薬剤師・登録販売者に相談してから選んでください。
医療用の添付文書には、甘草(カンゾウ)を含むため血圧などに注意すること、ほかの漢方と一緒に使うときは生薬の重複に注意することが書かれています。市販品でも、ほかの漢方やかぜ薬と重ねるときは薬剤師・登録販売者に相談してください。
十全大補湯が合うのはどんな人?
クラシエの添付文書では、効能の前提が「体力虚弱なもの」とされています。次のような悩みが重なる人が対象です。
- 病気や手術のあとで体力が戻らない
- 疲れやすく、だるさが続く
- 食欲がない
- 寝汗をかく
- 手足が冷える、貧血ぎみだと言われた
補中益気湯とどう違う?
| 十全大補湯 | 補中益気湯 | |
|---|---|---|
| 向く体質 | 体力虚弱 | 体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすい |
| 効能の特徴 | 手足の冷え、貧血が入る | 感冒(かぜ)、虚弱体質が入る |
| 共通する効能 | 疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、病後の衰え | 疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、病後の衰え |
疲れに加えて冷えや貧血が気になるなら十全大補湯、胃腸の弱さやかぜのひきやすさが気になるなら補中益気湯が候補です。補中益気湯は補中益気湯は市販で買える?でくわしく比べています。
市販で選ぶなら
- 医師の治療を受けている、妊娠している、胃腸が弱い、薬でアレルギーを起こしたことがある人は、飲む前に相談する
- 発疹・発赤、かゆみ、胃の不快感が出たら中止して相談する。下痢が続くときも相談する
- がんなどの治療中の人は、自己判断で始めず主治医に相談する
- 1ヵ月位飲んでも変わらなければ中止して相談する
通販でまとめて買う前に
漢方は続けて飲んで様子をみる薬なので、通販のセールなどでまとめて用意したくなるかもしれません。ただし体質に合うかどうかは飲んでみないと分かりません。添付文書でも「1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止」とされています。
| 製品 | 1日量 | 1か月(30日)分の目安 |
|---|---|---|
| 十全大補湯エキス錠クラシエ | 12錠(1日3回) | 360錠 |
| ジュホトウ | 3包(1日3回) | 90包 |
※ 15才以上の量です。箱の包数・錠数をこの1日量で割ると、何日分かが分かります。
- まずは1か月分で体質に合うかを確かめる
- 合うと分かってから、大きい箱やまとめ買いにする
- 1日量で割って「1日あたりいくらか」で比べる
- ほかの漢方やかぜ薬を飲んでいる人は、買う前に薬剤師・登録販売者に相談する
よくある質問
買えます。クラシエ(十全大補湯エキス錠クラシエ)や大杉製薬(ジュホトウ)などから第2類医薬品として販売されています。
今回確認した一般用医薬品の添付文書データベースでは、ツムラの市販品は見当たりませんでした。ツムラの十全大補湯は医療用(病院で処方されるもの)として出ています。
主な違いは量です。ツムラの医療用は1日7.5gですが、市販品はクラシエの錠剤が「1/2量」、大杉製薬のジュホトウが「満量」です。効能はどちらも、病後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血です。
市販の十全大補湯の効能に、がんの治療は含まれていません。がんの治療中や治療後に漢方を使いたい場合は、自己判断で始めず、まず主治医に相談してください。
添付文書では、1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止して相談することとされています。
まとめ
- 十全大補湯は市販で買える(第2類医薬品)
- 市販はクラシエ錠(1/2量)とジュホトウ(満量)など。医療用(ツムラ)は1日7.5g
- 効能は病後の体力低下・疲労倦怠・手足の冷え・貧血など
- 冷え・貧血なら十全大補湯、胃腸の弱さ・かぜなら補中益気湯
- 1か月で見極め、合わなければやめて相談
疲れやすさ全般の選び方は疲れやすい人の漢方、どのくらい続けるかは漢方はいつまで飲む?でまとめています。
出典:各製品の添付文書(KEGG MEDICUS 一般用医薬品情報 2026年9月16日版)、ツムラ各エキス顆粒(医療用)添付文書
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。症状の感じ方や適する薬には個人差があります。持病のある方、ほかの薬を使用中の方、妊娠中・授乳中の方は、薬剤師・登録販売者にご相談ください。