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ビオフェルミンとミヤBMの違い|整腸剤の選び方と使い分け

ビオフェルミンとミヤBMは、どちらも腸内環境を整える「整腸剤」です。病院でミヤBMを処方され、市販のビオフェルミンとの違いが気になった方も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、両者に明確な優劣はありません。含まれる菌の種類が異なり、症状や目的によって使い分けます。この記事では、成分・効果・使い分け・副作用・飲み合わせまで、薬剤師の視点でわかりやすく解説します。

この記事のポイント
  • ビオフェルミン=乳酸菌・ビフィズス菌/ミヤBM=酪酸菌(宮入菌)
  • 「どちらが効く」という明確なエビデンスは確立していません
  • 抗菌薬(抗生物質)を飲んでいる・飲んだあとの下痢には、抗菌薬に強いミヤBMが向きます
  • 腸内環境は人それぞれ。1か月ほど試して合わなければ別の整腸剤も選択肢

ビオフェルミンとミヤBMの違いを比較

まずは両者の特徴を一覧で比較します。

項目 ビオフェルミン ミヤBM
主な菌種 ビフィズス菌・乳酸菌 酪酸菌(宮入菌)
分類 市販薬・医療用医薬品 医療用医薬品(処方薬)
主な作用 腸内環境の改善・便通の調整 腸内環境の改善・腸粘膜の保護
よく使われる場面 便秘・軟便・お腹の張り 下痢・抗菌薬の服用時
抗菌薬との相性 菌種によっては影響を受けることがある 芽胞をつくるため比較的影響を受けにくい

どちらも腸内環境を整える整腸剤ですが、含まれる菌と得意な場面に違いがあります。

そもそも整腸剤とは?プロバイオティクスの基本

プロバイオティクスとは、腸内細菌のバランスを改善し、健康に良い働きをもたらす生きた微生物(善玉菌)のことです。善玉菌には次のような働きがあります。

  • 悪玉菌の増殖を抑える
  • 腸内の腐敗や異常発酵を防ぐ
  • お腹の調子を整える

整腸剤は、このプロバイオティクスの働きを利用した医薬品です。善玉菌を補うことで腸内環境を整え、便秘・下痢・軟便・お腹の張りなどの改善をサポートします。毎日の腸内環境を整えることは、健康維持の第一歩です。

ビオフェルミンとは

ビオフェルミンは、乳酸菌やビフィズス菌を利用した整腸剤です。善玉菌を補って腸内細菌のバランスを整え、便秘・軟便・お腹の張りなどの改善を目的に使われます。

含まれる菌種

製品によって配合菌は異なりますが、代表的には次の菌が含まれます。

  • ビフィズス菌
  • フェーカリス菌
  • アシドフィルス菌

これらの菌は乳酸や酢酸を産生し、腸内を弱酸性に保つことで、悪玉菌が増えにくい環境をつくると考えられています。

ビオフェルミンが使われる場面

  • 便秘
  • 軟便
  • お腹の張り
  • 腸内環境の改善

市販薬として購入できる製品も多く、セルフメディケーションで利用しやすい整腸剤です。

ミヤBMとは

ミヤBMは、「宮入菌」と呼ばれる酪酸菌を有効成分とする整腸剤です。医療機関で処方されることが多く、下痢や抗菌薬投与時の腸内環境の維持を目的に使われます。

宮入菌(酪酸菌)とは

宮入菌は酪酸菌の一種で、芽胞(がほう)をつくる性質があります。芽胞を形成することで外部環境への耐性が高く、胃酸の影響を受けにくいと考えられています。腸内で酪酸を産生し、腸内環境の改善に関与するとされています。

酪酸の働き

  • 大腸の上皮細胞のエネルギー源になる
  • 腸のバリア機能の維持を助ける
  • 腸内環境を整える

近年は、腸内細菌叢(腸内フローラ)との関連についても研究が進められています。

ミヤBMの作用機序(添付文書より)

宮入菌は腸管内で発芽・増殖し、酪酸などの短鎖脂肪酸や各種代謝産物を産生します。これにより有害菌・病原性細菌の発育を抑制し、あるいは有用菌の発育を促進することで、腸内細菌叢のバランスを整え、諸症状を改善するとされています。

また、宮入菌が産生する酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸は、消化管粘膜上皮細胞の増殖促進作用や、水・ナトリウムの吸収調節作用を示します。とくに酪酸は大腸上皮細胞の重要なエネルギー源として利用されやすく、消化管内でさまざまな生理作用を発揮することが知られています。

ビオフェルミンとミヤBMはどちらが効く?

大前提:明確な使い分けのエビデンスはありません
整腸剤は「この症状にはこの菌」という使い分けが、はっきりと科学的に確立しているわけではありません。腸内環境は人によって異なるため、合う・合わないには個人差があります。以下はあくまで一般的な傾向・考え方として参考にしてください。

抗菌薬(抗生物質)を飲んでいる・飲んだあとの下痢 → ミヤBMが向く

ここは比較的はっきりした使い分けのポイントです。抗菌薬は腸内細菌のバランスを乱し、下痢を起こすことがあります。ミヤBMの宮入菌は芽胞をつくるため抗菌薬の影響を受けにくく、抗菌薬と併用しても働きが保たれやすいと考えられています。そのため、抗菌薬服用中・服用後の下痢にはミヤBMが選ばれることがあります。

便秘・軟便が気になる

便秘傾向の方では、ビフィズス菌などを補うビオフェルミンが使われることがあります。善玉菌を補って腸内バランスを整え、便通の改善につながる可能性があります。

下痢が続いている

下痢が続く場合はミヤBMが用いられることがあります。ただし、長引く下痢の背景に感染症や炎症性腸疾患などが隠れていることもあるため、数日で改善しない場合は受診してください。

迷ったときの考え方
腸内環境には個人差が大きいため、まずは1か月ほど続けてみて、効果を感じなければ別の整腸剤を試すのが現実的です。抗菌薬を使っている場面では、迷わずミヤBM(酪酸菌)を選ぶとよいでしょう。

ビオフェルミンとミヤBMは併用できる?

状況によっては併用されることもあります。ただし、自己判断で複数の整腸剤を組み合わせる前に、医師または薬剤師に相談しましょう。服用中の薬や症状によって、適した整腸剤は変わります。

副作用はある?

ビオフェルミン・ミヤBMはいずれも比較的安全性の高い整腸剤とされています。ただし、まれに次のような症状が現れることがあります。

  • 発疹
  • かゆみ
  • 腹部の不快感
  • お腹の張り

症状が強い場合や、服用後に体調の変化を感じた場合は、医療機関に相談してください。

こんな症状があるときは受診を
整腸剤を飲んでも改善しない場合や、次のような症状があるときは、自己判断を続けず医療機関を受診してください。
  • 血便が出る/黒い便が出る
  • 発熱をともなう
  • 強い腹痛がある
  • 体重が減っている
  • 下痢が長期間続く/夜間にも症状が出る
これらは感染症や消化器の病気が原因のことがあります。

よくある質問

Q. ミヤBMは市販されていますか?
A. ミヤBMは医療用医薬品のため、原則として市販されていません。ただし、酪酸菌を配合した整腸剤は市販薬として販売されている場合があります。
Q. ビオフェルミンは毎日飲んでも大丈夫ですか?
A. 製品ごとの用法・用量を守れば、日常的に使用できる整腸剤です。ただし症状が長く続く場合は自己判断で続けず、医療機関に相談してください。
Q. ビオフェルミンとミヤBMは一緒に飲めますか?
A. 医師の判断で併用されることもありますが、自己判断で複数の整腸剤を組み合わせるのは避け、医師・薬剤師に確認してください。
Q. どれくらい飲めば効果がわかりますか?
A. 腸内環境には個人差があるため、合う・合わないが分かれます。目安として1か月ほど続けて変化がなければ、別の整腸剤を試すのも一つの方法です。

まとめ

ビオフェルミンとミヤBMはどちらも整腸剤ですが、含まれる菌種が異なります。ビオフェルミンはビフィズス菌・乳酸菌を補って腸内環境を整え、ミヤBMは酪酸菌(宮入菌)を含み、下痢や抗菌薬服用時などに使われます。

どちらが優れているというものではなく、明確な使い分けのエビデンスも確立していません。ただし、抗菌薬を使っている場面では、抗菌薬に強いミヤBMが向くという点は覚えておくとよいでしょう。腸内環境には個人差があるため、合わなければ別の整腸剤を試すのも一つの方法です。症状が続く場合やどれを選べばよいか迷う場合は、医師・薬剤師に相談してください。

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