かぜのひきはじめに使われる漢方として有名な葛根湯と麻黄湯。どちらも麻黄と桂皮を含み、体を温めて汗を出すことで初期のかぜに対応します。
違いは「どんな症状の出方に合うか」です。ゾクゾクする寒気と首肩のこわばりなら葛根湯、高熱と節々の痛みなら麻黄湯。選び方を生薬構成から整理します。
結論:どちらを選ぶ?
比較表
生薬構成の違いが「守備範囲」を決めている
葛根湯は7つの生薬からなり、麻黄で汗を出して寒気を追い出しつつ、葛根と芍薬がこわばった首・肩の筋肉をゆるめる方向に働きます。かぜだけでなく肩こりや頭痛にも使われるのはこのためです。
麻黄湯は4つの生薬とシンプルな構成で、麻黄の量的な働きが前面に出ます。高熱と関節痛、汗が出ないタイプのかぜに向き、杏仁が咳にも配慮します。体力が充実している人向けとされ、高齢の方や体力が落ちている方には向きません。
どちらも「ひきはじめの数日」が勝負
漢方のかぜ薬は、発症からの時期で選ぶ薬が変わります。葛根湯・麻黄湯はいずれも初期(ゾクゾクする寒気がある段階)が出番で、こじれて数日たった段階では別の処方が合うこともあります。
症状が長引く場合は、市販の漢方を続けるより医療機関で相談するほうが確実です。
シーン別の使い分け
どちらの処方にも麻黄(エフェドリン類を含む)と甘草が入っています。麻黄は動悸・不眠・血圧上昇・排尿トラブルの原因になることがあり、心臓病・高血圧・甲状腺機能の異常がある方や高齢の方は使用前に相談が必要です。甘草はとりすぎるとむくみや血圧上昇(偽アルドステロン症)を招くことがあり、ほかの漢方やかぜ薬との併用で重複しやすい点に注意してください。
5〜6日使っても改善しない、38度以上の高熱が続く、息苦しさや強い倦怠感がある、持病がある場合は、市販薬で様子を見ずに医療機関を受診してください。インフルエンザが疑われる状況では、早めの受診が選択肢になります。
よくある質問
まとめ
葛根湯と麻黄湯は、どちらもかぜのひきはじめに使う漢方ですが、合う症状が違います。寒気と首肩のこわばりなら葛根湯、高熱と節々の痛みなら麻黄湯。ともに麻黄・甘草を含むため、持病のある方や他のかぜ薬との併用には注意してください。