更年期に入ってから、のぼせやイライラ、肩こり、疲れやすさが気になる。そんなときに名前があがる加味逍遙散について、市販で買えるもの、医療用との違い、選び方を添付文書から整理します。
加味逍遙散はツムラ・クラシエなどから第2類医薬品として出ています。効能の前提は「体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるもの」で、更年期障害、月経不順、冷え症、血の道症、不眠症などに使います。市販品は医療用の1/2量です。
- 加味逍遙散は市販で買える(第2類医薬品)
- 対象はのぼせ・肩こり・疲れやすさ・いらだちなどがある人
- 市販のツムラ・クラシエはどちらも1/2量(医療用は1日7.5g)
- 市販品の効能には医療用にない「不眠症」がある
- 長く飲み続けるときは相談する
効能に書かれていること
| 内容 | |
|---|---|
| 前提になる体質 | 体力中等度以下で、のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなどの精神神経症状、ときに便秘の傾向のあるもの |
| 使える症状 | 冷え症、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道症、不眠症 |
※ ツムラ・クラシエの添付文書より(両社とも同じ効能)。
血の道症とは、添付文書の説明では、月経・妊娠・出産・産後・更年期など女性のホルモンの変動に伴って現れる、精神不安やいらだちなどの精神神経症状と身体症状のことです。
医療用と市販品の違い
| 医療用(ツムラ) | 市販(ツムラ漢方) | 市販(クラシエ) | |
|---|---|---|---|
| 1日量 | 7.5g | 2包(1/2量) | 3包(1/2量) |
| 飲む回数 | 2〜3回に分けて | 1日2回・食前 | 1日3回・食前又は食間 |
| 使える年齢 | 医師の判断 | 2歳から | 15才以上 |
| 効能の「不眠症」 | なし | あり | あり |
※ 各添付文書より。
医療用の効能は「体質虚弱な婦人で肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘の傾向のある」人の冷え症・虚弱体質・月経不順・月経困難・更年期障害・血の道症です。
医療用の添付文書には、甘草(カンゾウ)を含むため血圧などに注意すること、山梔子(サンシシ)を含む製剤を長期間(多くは5年以上)使うと腸間膜静脈硬化症が起こることがあることも書かれています。市販品の添付文書でも、長期連用する場合は相談することとされています。
当帰芍薬散とどう違う?
| 加味逍遙散 | 当帰芍薬散 | |
|---|---|---|
| 体力の目安 | 体力中等度以下 | 体力虚弱 |
| 目立つ症状 | のぼせ、肩こり、いらだち、不安、不眠 | 冷え、貧血の傾向、むくみ、めまい |
| 共通する効能 | 月経不順、更年期障害、冷え症 | 月経不順、更年期障害、冷え症 |
冷えやむくみが中心なら当帰芍薬散、気持ちの面の症状やのぼせが目立つなら加味逍遙散が候補です。
市販で選ぶなら
- 医師の治療を受けている人、妊娠している人、胃腸の弱い人、薬でアレルギーを起こしたことがある人は、飲む前に相談する
- 発疹・発赤、かゆみ、吐き気・嘔吐、食欲不振、胃の不快感が出たら中止して相談する。下痢が続くときも相談する
- 黄疸、褐色尿、全身のだるさ(まれに肝機能障害)があらわれたらすぐに受診する
- 長く飲み続けている人で、腹痛・下痢・便秘・おなかの張りを繰り返す(腸間膜静脈硬化症)
- 気分の落ち込みや不眠が続く、日常生活に支障があるときは医療機関に相談する
通販でまとめて買う前に
漢方は続けて飲んで様子をみる薬なので、通販のセールなどでまとめて用意したくなるかもしれません。ただし体質に合うかどうかは飲んでみないと分かりません。添付文書でも「1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止」とされています。
| 製品 | 1日量 | 1か月(30日)分の目安 |
|---|---|---|
| ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒 | 2包(1日2回) | 60包 |
| クラシエ漢方加味逍遙散料エキス顆粒 | 3包(1日3回) | 90包 |
※ 15才以上の量です。箱の包数・錠数をこの1日量で割ると、何日分かが分かります。
- まずは1か月分で体質に合うかを確かめる
- 合うと分かってから、大きい箱やまとめ買いにする
- 1日量で割って「1日あたりいくらか」で比べる
- ほかの漢方やかぜ薬を飲んでいる人は、買う前に薬剤師・登録販売者に相談する
よくある質問
買えます。ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒、クラシエ漢方加味逍遙散料エキス顆粒など、第2類医薬品として販売されています。
ツムラの医療用は1日7.5gですが、市販品は「1/2量」です。効能にも違いがあり、市販品には医療用にはない「不眠症」が含まれています。
効能には月経や更年期、血の道症など女性特有の症状が多く含まれています。男性で気になる症状がある場合は、合うかどうか薬剤師・登録販売者に相談してください。
1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は中止して相談します。長期連用する場合は、医師・薬剤師・登録販売者に相談することとされています。
気分の落ち込みが続く、眠れない日が続く、日常生活に支障が出ている場合は、漢方で様子をみずに医療機関に相談してください。
まとめ
- 加味逍遙散は市販で買える(第2類医薬品)
- 対象はのぼせ・肩こり・疲れやすさ・いらだちなどがある、体力中等度以下の人
- 市販品は1/2量。医療用は1日7.5g
- 市販品の効能には医療用にない不眠症がある
- 1か月で見極め、長く続けるときは相談
疲れやすさ全般の選び方は疲れやすい人の漢方、続ける期間は漢方はいつまで飲む?でまとめています。
出典:各製品の添付文書(KEGG MEDICUS 一般用医薬品情報 2026年9月16日版)、ツムラ各エキス顆粒(医療用)添付文書
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。症状の感じ方や適する薬には個人差があります。持病のある方、ほかの薬を使用中の方、妊娠中・授乳中の方は、薬剤師・登録販売者にご相談ください。