「整腸剤を買いに来たけれど、ビオフェルミン・ミヤリサン・ザ・ガード……どれを選べばいいの?」とドラッグストアの棚の前で迷った経験はありませんか。
市販の整腸剤は、含まれている「菌の種類」で特徴が変わります。この記事では、代表的な3タイプの違いと選び方を薬剤師の視点で解説します。
- 整腸剤は菌の種類で選ぶ(乳酸菌・ビフィズス菌/酪酸菌/納豆菌配合)
- 迷ったらまずは定番の乳酸菌・ビフィズス菌系から
- 抗菌薬(抗生物質)服用中・服用後は、胃酸や抗菌薬に強い酪酸菌系
- お腹の張り・胃の不快感もあるならガス対策成分入りも選択肢
- 腸内環境は人それぞれ。1か月試して合わなければ別タイプへ
納豆菌を含む3種の生菌に、ガスの泡を消す消泡成分・健胃生薬・制酸成分を配合。お腹の張りや胃のもたれも同時に気になる人に。
※当サイトは中立の立場で解説しています。抗菌薬の服用中・服用後の下痢では酪酸菌系も選択肢です(ビオフェルミンとミヤBMの違い)。便秘が主な悩みなら便秘薬の選び方もあわせてどうぞ。
市販の整腸剤 主要4製品を比較
※製品情報は各添付文書に基づきます。分類(医薬品・指定医薬部外品)や用法は製品ごとに異なるため、パッケージをご確認ください。
タイプ別の特徴と選び方
① 乳酸菌・ビフィズス菌系(新ビオフェルミンSなど)
もっとも定番のタイプです。乳酸や酢酸をつくって腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌が増えにくい環境を整えます。便秘にも軟便にも使いやすく、初めて整腸剤を試す方の第一候補になります。
② 酪酸菌系(強ミヤリサンなど)
酪酸菌(宮入菌)は芽胞という耐久性の高い構造をつくるため、胃酸で死ににくく、生きたまま腸に届きやすいのが特徴です。抗菌薬の影響も受けにくいため、抗菌薬服用中・服用後にお腹の調子を崩しやすい方に向きます。病院で処方される「ミヤBM」と同じ菌で、市販で買えるのが強ミヤリサンです。詳しくはビオフェルミンとミヤBMの違いもご覧ください。
③ 納豆菌配合・複合タイプ(ザ・ガードコーワ整腸錠α3+など)
納豆菌がビフィズス菌の増殖を助け、乳酸菌・ビフィズス菌とあわせて腸内環境を整えます。さらにガスをつぶす消泡成分(ジメチルポリシロキサン)や健胃生薬・制酸成分も配合されており、「お腹が張る」「胃も何となく重い」というタイプの不調に幅広く対応する設計です。
目的・症状別の選び方
整腸剤は「なんとなく良さそう」で選ぶより、いま困っている症状から絞ると失敗しません。
まずは定番の乳酸菌・ビフィズス菌系から。腸内細菌のバランスを整えることで、便の状態が安定していくのを待つ使い方です(新ビオフェルミンS錠)。
整腸剤の効能にも「便秘」は含まれますが、硬い便を今日出したいという場面には力不足です。すぐ出したいなら便秘薬、体質を整えたいなら整腸剤、と役割を分けて考えてください(便秘薬の選び方)。
菌に加えてガスの泡を消す成分を配合した複合タイプが向きます。胃のもたれや胃酸過多も一緒に気になる場合はなおさらです(ザ・ガードコーワ整腸錠α3+)。
抗菌薬は腸内の菌にも影響します。芽胞をつくり抗菌薬の影響を受けにくい酪酸菌系が選ばれることがあります。ただし医療機関から薬が出ている場合は、自己判断で足さず薬剤師にご相談ください(ビオフェルミンとミヤBMの違い)。
製品によって服用できる年齢が違います。たとえばビオスリーHi錠とザ・ガードコーワ整腸錠α3+はいずれも5歳からで、5歳未満は服用できません。乳幼児に使う場合は必ず薬剤師にご相談ください。
選ぶときの4つの軸
乳酸菌・ビフィズス菌(定番)、酪酸菌(胃酸や抗菌薬に強い)、糖化菌・納豆菌(他の菌を助ける)。腸内環境は人それぞれなので、合わなければ別の菌種に変えるのが基本の考え方です。
ガスの泡を消す消泡成分、胃を助ける生薬、胃酸を抑える制酸成分などを含む製品があります。症状が便通だけなら菌だけのシンプルな製品で十分です。
錠剤・散剤・チュアブルなどがあります。1日3回続けるものなので、持ち歩きやすさや飲みやすさは続けられるかどうかを大きく左右します。
家族で共用するなら年齢の下限を確認しましょう。整腸剤は1か月ほど続けて様子をみる薬なので、価格と続けやすさもあわせて考えると失敗が減ります。
制酸成分を含む整腸薬は、ほかの胃薬と成分が重なることがあります。また抗菌薬を服用中の場合は、飲み合わせの確認が必要です(市販薬の併用の注意)。
受診を優先すべきサイン
整腸剤で様子を見てよいのは軽い不調のときだけです。血便・黒い便・発熱・強い腹痛・体重減少・長引く下痢がある場合は、感染症や消化器の病気の可能性があるため医療機関を受診してください。
よくある質問
まとめ
市販の整腸剤は「菌の種類」で選びます。まずは定番の乳酸菌・ビフィズス菌系、抗菌薬がからむ場面では酪酸菌系、お腹の張りや胃の不快感が同時にあるなら複合タイプ。合わなければ1か月を目安に別タイプへ切り替えてみましょう。