「病院でもらっているあの薬、市販で買えないだろうか」。同じ有効成分の市販薬が用意されている薬はいくつもあります。ここでは成分が対応している代表的な組み合わせと、市販に切り替えるときの注意を整理します。
医療用の成分をそのまま市販に転用したものをスイッチOTCと呼びます。成分と量が同じでも、市販薬は効能の範囲が狭く、使える年齢や期間に条件が付きます。軽い症状を短期間しのぐ目的なら市販で足りますが、診断が必要な症状は受診が近道です。
- 同じ成分の市販薬がある代表例は、痛み止め・胃薬・去痰薬・保湿薬・鼻炎薬
- 市販は効能の範囲が狭く、年齢や使用期間に条件が付く
- 第1類医薬品は薬剤師の確認が必要(通販でも購入できる)
- 長引く、繰り返す、悪化する症状は受診が向く
- 費用は受診料を含めるかどうかで変わる
成分が対応している代表的な組み合わせ
よく処方される薬と、同じ成分を含む市販薬の対応です。効能の範囲は市販のほうが狭い点に注意してください。
| 病院で処方される薬 | 有効成分 | 市販で買えるもの |
|---|---|---|
| ロキソニン錠 | ロキソプロフェン | ロキソニンS(第1類医薬品) |
| カロナール錠 | アセトアミノフェン | カロナールA(第2類医薬品) |
| ガスター錠 | ファモチジン | ガスター10(第1類医薬品) |
| ムコダイン錠 | L-カルボシステイン | ムコダイン去たん錠Pro500、ストナ去痰カプセル |
| ヒルドイド | ヘパリン類似物質0.3% | メディカルC.HDなどの市販保湿薬(第2類) |
| クラリチン錠 | ロラタジン | クラリチンEX(第2類医薬品) |
| 鼻噴霧ステロイド | ベクロメタゾンなど | ナザールαAR0.1%(指定第2類・季節性アレルギー専用) |
※ 効能・効果、使用できる年齢や期間は製品ごとに異なります。購入前に必ず製品表示をご確認ください。
市販に切り替えるときの3つの注意
たとえばL-カルボシステインは、医療用では慢性副鼻腔炎の排膿も効能ですが、市販では「せき・たん」が中心です。鼻の症状が主体なら市販薬では足りません。
ガスター10は3日間で改善しなければ中止、2週間を超えて続けない薬です。鼻噴霧ステロイドは1年に3か月までなど、市販ならではの区切りがあります。
15歳未満は使えない、18歳以上のみ、80歳以上は使えないなど、製品ごとに条件があります。持病や常用薬がある方は購入時に薬剤師へご相談ください。
第1類医薬品は通販でも買えます
ロキソニンSやガスター10のような第1類医薬品は、薬剤師が対応すれば通販でも購入できます。購入時に体質や持病についての質問に答える必要があり、急ぎでないときにまとめて用意しておく使い方に向きます。

ロキソプロフェンの単一成分で、鎮静成分を含みません。第1類医薬品のため購入時に薬剤師の確認があります。空腹時を避けて服用してください。
ファモチジンを配合したH2ブロッカーです。症状が出たときに使う薬で、3日間で改善しなければ中止、2週間を超えて続けないという区切りがあります。
商品画像:楽天市場 Supported by 楽天ウェブサービス
- いま飲んでいる薬と成分が重ならないか(かぜ薬や鎮痛薬は重複しやすい)
- 使用できる年齢に当てはまるか
- 使い続けてよい期間はどれくらいか
- 妊娠中・授乳中の使用について記載があるか
- 持病(胃潰瘍、緑内障、前立腺肥大、腎臓や肝臓の病気)に関する注意
- 同じ症状が2週間以上続く、または繰り返す
- 症状が少しずつ悪化している
- 発熱や体重減少、血が混じるなどをともなう
- 市販薬を決められた回数使っても変化がない
- 子ども、高齢の方、妊娠中の方で判断に迷うとき
よくある質問
成分と量が同じなら、はたらきは同じと考えられます。ただし市販薬は効能・効果の範囲が狭く、使える年齢や期間に条件が付くことがあります。
市販薬は自分で判断して使うことが前提だからです。診断が必要な病気や、経過の見極めが要る使い方は医療用の範囲に残されています。
軽い症状を短期間しのぐには有効です。症状が長引く、繰り返す、悪化するといった場合は、診断そのものが必要なので受診してください。
薬剤師がいる薬局・ドラッグストア、または薬剤師が対応する通販で購入できます。購入時に確認事項への回答が必要です。
受診料や処方料を含めるかで変わります。まとめて長く使うなら処方、急いで少量なら市販が向くことが多いです。
まとめ
- 痛み止め・胃薬・去痰薬・保湿薬・鼻炎薬には、同じ成分の市販薬がある
- 成分が同じでも市販は効能の範囲が狭く、期間や年齢の条件がある
- 第1類医薬品は薬剤師の確認のうえ通販でも購入できる
- 軽い症状を短期間しのぐなら市販、診断が必要なら受診
- 常用薬との重複は購入前に確認する
個別の解説はヒルドイドと同じ成分は市販で買える?、ムコダインは市販で買える?、ナザールに医療用はある?をご覧ください。
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。症状の感じ方や適する薬には個人差があります。持病のある方、ほかの薬を使用中の方、妊娠中・授乳中の方は、薬剤師・登録販売者にご相談ください。