🏠 トップページへ今すぐ市販薬を診断する

葛根湯と柴胡桂枝湯の違い|かぜは時期で漢方を変える

かぜに使う漢方は、「発症からの時期」で選ぶ薬が変わります。ひきはじめの定番が葛根湯、そこから数日たってこじれてきたときに使われるのが柴胡桂枝湯です。

同じかぜでも、寒気の段階と、微熱がだらだら続く段階では体の状態が違います。生薬の構成からその違いを整理します。

結論:どちらを選ぶ?

発症直後(0〜2日)
葛根湯
  • ゾクゾクする寒気、汗が出ていない段階に
  • 首や肩のこわばりをともなうとき
  • 麻黄を含み、体を温めて発散させる
  • 1日3回、食前または食間

葛根湯 の解説

こじれた時期(3日目以降)
柴胡桂枝湯
  • 微熱が続く、食欲がない、体の節々が痛む
  • 吐き気や胃の不快感をともなうかぜに
  • 麻黄を含まず、胃腸にも配慮した構成
  • 1日3回、食前または食間

柴胡桂枝湯 の解説

比較表

葛根湯 柴胡桂枝湯
分類 第2類医薬品 第2類医薬品
主な生薬 葛根・麻黄・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草 柴胡・黄芩・半夏・人参・桂皮・芍薬・生姜・大棗・甘草
向く時期 発症直後(ひきはじめ) 発症から数日たってこじれた時期
向く症状 寒気、首や肩のこわばり、頭痛 微熱が続く、食欲不振、吐き気、体の節々の痛み
麻黄 含む(動悸・血圧上昇に注意) 含まない
胃腸への配慮 人参・半夏などを含み胃腸にも配慮
のみ方 1日3回、食前または食間 1日3回、食前または食間

かぜは「進み方」で使う薬が変わる

漢方では、かぜを時間の流れのある変化としてとらえます。最初は体の表面で寒気として現れ、時間がたつと体の内側へ入り込み、微熱や食欲不振といった別の症状に変わっていく、という考え方です。

そのためひきはじめには体を温めて発散させる葛根湯数日たってこじれた段階には内側の熱を冷ましつつ立て直す柴胡桂枝湯、と役割が分かれています。「葛根湯を飲んだのに効かない」と感じるとき、実は時期がずれているだけということも少なくありません。

麻黄を含むかどうかが実用上の分かれ目

葛根湯には麻黄(エフェドリン類を含む)が入っています。体を温めて汗を出す力がある一方、動悸・不眠・血圧上昇・排尿トラブルの原因になることがあり、心臓病や高血圧、甲状腺機能の異常がある方、高齢の方は使用前に相談が必要です。

柴胡桂枝湯は麻黄を含まず、人参・半夏などで胃腸にも配慮した構成です。胃腸が弱い方や、吐き気・食欲不振をともなうかぜで選ばれやすい理由がここにあります。ただしどちらも甘草を含むため、ほかの漢方やかぜ薬との併用では重複に注意してください。

シーン別の使い分け

ゾクゾクする寒気、首肩がこわばる(発症直後)
葛根湯。汗が出る前の段階で使うのが基本です。
数日たっても微熱が続き、食欲がない
柴胡桂枝湯。
吐き気や胃の不快感をともなう
柴胡桂枝湯。胃腸にも配慮した構成です。
高血圧・心臓病がある
麻黄を含む葛根湯は要相談。柴胡桂枝湯が選びやすい場合があります。
甘草の重複に注意

どちらの処方にも甘草が含まれます。ほかの漢方やかぜ薬と重ねて飲むと甘草が重複し、むくみや血圧上昇(偽アルドステロン症)につながることがあります。複数の薬を使う場合は薬剤師にご相談ください。

受診の目安

5〜6日使っても改善しない、38度以上の高熱が続く、息苦しさや強い倦怠感がある、持病がある場合は、市販薬で様子を見ずに医療機関を受診してください。かぜが長引くときは別の病気が隠れていることもあります。

よくある質問

Q. 葛根湯が効かないのですが、飲み続けていいですか?
A. ひきはじめを過ぎている可能性があります。漢方は時期で使い分ける薬なので、数日たって微熱や食欲不振が中心になっているなら、柴胡桂枝湯など別の処方が合うことがあります。5〜6日使っても改善しない場合は中止して相談してください。
Q. 2つを一緒に飲んでもいいですか?
A. 併用は避けてください。どちらも甘草を含み成分が重複します。症状の段階に合うほうを選んで使ってください。
Q. 西洋薬のかぜ薬と併用できますか?
A. 成分が重なることがあるため、自己判断での併用は避けてください。とくに総合感冒薬には多くの成分が含まれます。購入時に飲んでいる薬を薬剤師にお伝えください。

まとめ

葛根湯と柴胡桂枝湯は、かぜの時期で使い分ける漢方です。寒気と肩のこわばりが出る発症直後なら葛根湯数日たって微熱・食欲不振・吐き気が中心なら柴胡桂枝湯。葛根湯は麻黄を含むため持病のある方は相談を、どちらも甘草の重複には注意してください。

葛根湯 の解説柴胡桂枝湯 の解説
あわせて読みたい
薬剤師監修 / 本ページは情報提供であり診断ではありません。使用前に添付文書を確認し、持病・服用中の薬がある方は薬剤師にご相談ください。免責事項
症状から市販薬を探す