かぜに使う漢方は、「発症からの時期」で選ぶ薬が変わります。ひきはじめの定番が葛根湯、そこから数日たってこじれてきたときに使われるのが柴胡桂枝湯です。
同じかぜでも、寒気の段階と、微熱がだらだら続く段階では体の状態が違います。生薬の構成からその違いを整理します。
結論:どちらを選ぶ?
比較表
かぜは「進み方」で使う薬が変わる
漢方では、かぜを時間の流れのある変化としてとらえます。最初は体の表面で寒気として現れ、時間がたつと体の内側へ入り込み、微熱や食欲不振といった別の症状に変わっていく、という考え方です。
そのためひきはじめには体を温めて発散させる葛根湯、数日たってこじれた段階には内側の熱を冷ましつつ立て直す柴胡桂枝湯、と役割が分かれています。「葛根湯を飲んだのに効かない」と感じるとき、実は時期がずれているだけということも少なくありません。
麻黄を含むかどうかが実用上の分かれ目
葛根湯には麻黄(エフェドリン類を含む)が入っています。体を温めて汗を出す力がある一方、動悸・不眠・血圧上昇・排尿トラブルの原因になることがあり、心臓病や高血圧、甲状腺機能の異常がある方、高齢の方は使用前に相談が必要です。
柴胡桂枝湯は麻黄を含まず、人参・半夏などで胃腸にも配慮した構成です。胃腸が弱い方や、吐き気・食欲不振をともなうかぜで選ばれやすい理由がここにあります。ただしどちらも甘草を含むため、ほかの漢方やかぜ薬との併用では重複に注意してください。
シーン別の使い分け
どちらの処方にも甘草が含まれます。ほかの漢方やかぜ薬と重ねて飲むと甘草が重複し、むくみや血圧上昇(偽アルドステロン症)につながることがあります。複数の薬を使う場合は薬剤師にご相談ください。
5〜6日使っても改善しない、38度以上の高熱が続く、息苦しさや強い倦怠感がある、持病がある場合は、市販薬で様子を見ずに医療機関を受診してください。かぜが長引くときは別の病気が隠れていることもあります。
よくある質問
まとめ
葛根湯と柴胡桂枝湯は、かぜの時期で使い分ける漢方です。寒気と肩のこわばりが出る発症直後なら葛根湯、数日たって微熱・食欲不振・吐き気が中心なら柴胡桂枝湯。葛根湯は麻黄を含むため持病のある方は相談を、どちらも甘草の重複には注意してください。