かぜをひいて頭痛もひどいとき、かぜ薬に痛み止めを足したくなります。しかしこの2つは、同じ成分が重なっている組み合わせの代表格です。この記事では成分を並べて重複を確認し、では何を飲めばよいのかを具体的に示します。
総合感冒薬にはほぼ必ず解熱鎮痛成分が入っています。市販の痛み止めもその成分が主役なので、重ねると同じ成分を二重に飲むことになります。用量を超えると胃腸障害や腎臓への負担が強まります。どちらか一方に絞るのが正解です。
- かぜ薬にも痛み止め成分(イブプロフェン・アセトアミノフェンなど)が入っている
- 重ねると解熱鎮痛成分が用量を超え、胃や腎臓への負担が増える
- のどの痛みや熱が主症状ならかぜ薬1本、痛みだけなら痛み止め1本に絞る
- 「かぜ薬+痛み止め」ではなく「症状に合う1剤」を選び直すのが安全
成分を並べて確認する
よく使われるコルゲンコーワIB錠TXα(かぜ薬)とイブA錠(痛み止め)で、はたらきごとに成分を並べます。
| はたらき | コルゲンコーワIB錠TXα(かぜ薬) | イブA錠(痛み止め) |
|---|---|---|
| 熱・痛みを抑える | イブプロフェン 600mg(1日量) | イブプロフェン 450mg(1日量) |
| のどの腫れを抑える | トラネキサム酸 750mg | — |
| 鎮静(痛みを感じにくくする) | — | アリルイソプロピルアセチル尿素 180mg |
| カフェイン | 無水カフェイン 75mg | 無水カフェイン 240mg |
| 咳・痰 | ジヒドロコデイン/dl-メチルエフェドリン/アンブロキソール | — |
| 鼻水 | d-クロルフェニラミン 3.5mg | — |
※ 赤い欄が重複しているはたらきです。製品の仕様は変更されることがあります。服用前に必ずお手元の添付文書をご確認ください。
重ねてはいけない3つの理由
コルゲンコーワIB錠TXαは1日量でイブプロフェン600mg、イブA錠は1日量で450mgです。両方を用法どおり飲むと1日1,050mgになり、市販薬として認められている上限を超えます。効果が2倍になるわけではなく、副作用だけが増えます。
イブプロフェンのような解熱鎮痛成分は、痛みのもとを抑えると同時に胃の粘膜を守るはたらきも弱めます。量が増えるほど胃の痛みや吐き気が出やすくなり、脱水を伴うかぜのときは腎臓への負担も無視できません。
どちらにも無水カフェインが入っており、合計すると1日315mgになります。かぜのときに必要なのは休息です。眠れないことで回復が遅れるという、目的と逆の結果になりかねません。
ではどうすればいいか
足すのではなく、いま一番つらい症状に合う1剤へ絞り直してください。

解熱鎮痛のイブプロフェンを600mg配合しているので、これ1本で痛み止めの役割も果たします。さらにのどの腫れに働くトラネキサム酸750mgを配合。痛み止めを足す必要はありません。

ロキソプロフェン60mgの痛みに絞った薬です。かぜ薬のように咳や鼻の成分を含まないため、余計な眠気が出ません。痛みだけが問題なら、かぜ薬より噛み合います。
- 前の薬を飲んでから4時間以上あけて、別の薬に切り替えてください
- 「解熱鎮痛薬」「かぜ薬」「鎮痛薬」と書かれた箱を2つ同時に開けない、と覚えておくと安全です
- 胃・十二指腸潰瘍のある方、ぜんそくを起こしたことがある方は、イブプロフェンを含む薬の使用前に薬剤師・登録販売者へご相談ください
- 妊娠中・授乳中の方は自己判断で選ばず、必ずご相談ください
- 38度以上の発熱が4日以上続く
- 強い胃痛、黒い便、吐き気が続く
- 息苦しさ、ゼーゼーする
- じんましん、顔やまぶたの腫れ
- 尿の量が急に減った
よくある質問
一般には4時間以上あけますが、成分によって異なります。安全なのは重ねないことです。どうしても必要な場合は、お手持ちの箱を持って薬剤師・登録販売者にご相談ください。
いけません。多くのかぜ薬はアセトアミノフェンかイブプロフェンのどちらかを含みます。成分名が違っても同じ「解熱鎮痛成分」の枠なので、重ねれば負担が増えます。
葛根湯などの漢方には解熱鎮痛成分が入っていないため、組み合わせやすい場合があります。ただし甘草の重複などもあるため、購入時にご相談ください。
痛み止めを足すのではなく、痛みに絞った薬へ切り替えてください。それでも改善しない頭痛は、かぜとは別の原因のことがあります。
まとめ
かぜ薬にはほぼ必ず解熱鎮痛成分が含まれています。そこへ痛み止めを足すのは同じ成分を二重に飲む行為で、効果は上がらず負担だけが増えます。かぜの症状が幅広いならコルゲンコーワIB錠TXα、痛みだけならロキソニンSというように、1剤に絞ってください。
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。実際の可否は体質・持病・服用中の薬によって変わります。判断に迷うときは、薬剤師・登録販売者にお手持ちの薬を見せてご相談ください。