飲み薬だけでは鼻づまりが取れないとき、点鼻薬も使ってよいのか迷います。ここまでの記事とは違い、この組み合わせは条件を守れば併用できます。理由と、避けるべき点鼻薬の種類を整理します。
飲み薬は体の中から、点鼻薬は鼻の粘膜に直接と、はたらく場所が違うため成分が重複しません。花粉症の治療では、飲み薬と点鼻ステロイドを併用するのは一般的な考え方です。ただし血管収縮成分の点鼻薬を毎日使い続けるのは避けてください。
- 飲み薬と点鼻ステロイドは作用する場所が違うため重複しない
- 鼻づまりが強いときは、点鼻のほうが飲み薬より届きやすい
- 血管収縮タイプの点鼻薬の連用は「薬剤性鼻炎」を招くので不可
- 飲む鼻炎薬どうし、点鼻薬どうしの併用はいずれも不可
成分を並べて確認する
クラリチンEX(飲み薬)とナザールαAR0.1%(点鼻薬)を並べます。重複するはたらきがないことを確認してください。
| はたらき | クラリチンEX(飲み薬) | ナザールαAR0.1%(点鼻薬) |
|---|---|---|
| 作用する場所 | 全身(飲んで吸収される) | 鼻の粘膜に直接 |
| 有効成分 | ロラタジン 10mg | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル |
| 成分の系統 | 第2世代 抗ヒスタミン薬 | ステロイド |
| 得意な症状 | くしゃみ・鼻水 | 鼻づまり・粘膜の炎症 |
| 眠気 | 起こりにくい | ほとんどない |
| 効き始め | 服用後ほどなく | 数日かけて安定する |
※ 赤い欄が重複しているはたらきです。製品の仕様は変更されることがあります。服用前に必ずお手元の添付文書をご確認ください。
併用してよい理由と、守るべき条件
抗ヒスタミン薬とステロイドは、炎症を抑える経路がまったく違います。同じ成分が二重になるという問題が起きません。飲み薬でくしゃみ・鼻水を抑え、点鼻で詰まりを取るという役割分担ができます。
鼻づまりは粘膜が腫れて起きます。飲み薬は全身をめぐって届くのに対し、点鼻薬は腫れている場所に直接届きます。飲み薬で鼻水は治まったのに詰まりだけ残る、という状態にはこの組み合わせが噛み合います。
すぐ鼻が通る点鼻薬の多くは血管収縮成分を含みます。よく効きますが、毎日使い続けると反動で余計に詰まる「薬剤性鼻炎」になります。長く使うなら点鼻ステロイドを選び、血管収縮タイプは数日にとどめてください。
ではどうすればいいか
長く続ける前提なら、この2つの組み合わせが基本形です。

有効成分はロラタジン10mg。第2世代の抗ヒスタミン薬のため眠気が起こりにくく、1日1回で済みます。シーズン中ずっと続けるという使い方に向いています。
ベクロメタゾンを配合した点鼻ステロイドです。粘膜の炎症を直接抑えるため詰まりに向きます。効果が安定するまで数日かかるので、続けて使うことが前提です。
- 飲む鼻炎薬どうしの併用は不可です。抗ヒスタミン成分が重複します
- 点鼻薬どうしの併用も不可です。1種類に絞ってください
- 血管収縮成分の点鼻薬は、続けて使うのは数日までにしてください
- 点鼻ステロイドは1日の使用回数を守り、症状がなくてもシーズン中は続けるほうが安定します
- 購入時に、飲んでいる薬を薬剤師・登録販売者へ伝えてください
- 市販の点鼻薬を毎日使い続けており、使うたびに詰まりが戻る
- 黄色や緑色の鼻水が続く、片側の頬や額が痛む
- においが分からない状態が続く
- 鼻血が繰り返し出る
- 症状が1か月以上続いている
よくある質問
順番よりも、鼻づまりが主症状かどうかで決めてください。詰まりが強いなら点鼻を軸に、くしゃみ・鼻水が中心なら飲み薬を軸にします。
点鼻ステロイドは鼻の粘膜で作用し、全身に回る量はごくわずかです。用法を守れば長く使える設計になっています。心配な場合は薬剤師にご相談ください。
即効性は血管収縮成分によるもので、連用すると反動で詰まりが悪化します。長く付き合う症状には点鼻ステロイドのほうが適しています。
点眼薬を加える形になります。飲み薬・点鼻・点眼は作用する場所が違うため組み合わせやすいですが、購入時にご相談ください。
まとめ
飲む鼻炎薬と点鼻薬ははたらく場所が違うため、多くの場合は併用できます。くしゃみ・鼻水にクラリチンEX、詰まりにナザールαAR0.1%という組み合わせが基本形です。ただし血管収縮タイプの点鼻薬を毎日使い続けると症状が悪化するため、そこだけは避けてください。
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。実際の可否は体質・持病・服用中の薬によって変わります。判断に迷うときは、薬剤師・登録販売者にお手持ちの薬を見せてご相談ください。