寝ても疲れが抜けない、すぐにだるくなる。そんな「疲れやすさ」に使える市販の漢方は、ひとつではありません。添付文書の効能に「疲れやすい」「疲労倦怠」が入っている4つの漢方を、どんな人に向くかで整理します。
胃腸が弱く、かぜをひきやすいなら補中益気湯、病後の体力低下・冷え・貧血なら十全大補湯、冷え症で貧血の傾向・むくみなら当帰芍薬散、のぼせ・肩こり・いらだちなら加味逍遙散。どれも「疲れやすさ」が効能や前提に含まれていますが、合う体質が違います。
- 疲れやすさに使う漢方は、疲れ以外の症状で選ぶ
- 胃腸の弱さ・かぜ→補中益気湯
- 病後の体力低下・冷え・貧血→十全大補湯
- 冷え症・貧血の傾向・むくみ→当帰芍薬散
- のぼせ・肩こり・いらだち→加味逍遙散
疲れやすさに使う4つの漢方
| 漢方 | 体力の目安 | 疲れ以外に目立つ症状 |
|---|---|---|
| 補中益気湯 | 体力虚弱 | 元気がない、胃腸の働きが衰えている、食欲不振、ねあせ、かぜ |
| 十全大補湯 | 体力虚弱 | 病後・術後の体力低下、手足の冷え、貧血、ねあせ |
| 当帰芍薬散 | 体力虚弱 | 冷え症、貧血の傾向、めまい、むくみ、月経不順 |
| 加味逍遙散 | 体力中等度以下 | のぼせ感、肩こり、精神不安、いらだち、不眠 |
※ 各製品の添付文書の効能より。
タイプ別の選び方
効能は「体力虚弱で、元気がなく、胃腸の働きが衰えて、疲れやすいもの」の虚弱体質・疲労倦怠・食欲不振・ねあせ・感冒。くわしくは補中益気湯は市販で買える?へ。
効能は病後・術後の体力低下、疲労倦怠、食欲不振、ねあせ、手足の冷え、貧血。くわしくは十全大補湯は市販で買える?へ。
前提は「冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすい」人。効能に月経不順・更年期障害・産前産後の障害・むくみなど。くわしくは当帰芍薬散は市販で買える?へ。
前提は「のぼせ感があり、肩がこり、疲れやすく、精神不安やいらだちなど」がある人。効能に更年期障害・血の道症・不眠症など。くわしくは加味逍遙散は市販で買える?へ。
女性・更年期・産後の疲れには
女性特有の時期の疲れなら、当帰芍薬散と加味逍遙散がよく候補になります。どちらも効能に更年期障害と月経不順が入っていますが、冷え・むくみが中心なら当帰芍薬散、のぼせ・いらだちが目立つなら加味逍遙散です。当帰芍薬散の効能には「産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)」も含まれます。
妊娠中・授乳中は、市販薬でも自己判断で始めず、必ず医師に相談してください。
市販で選ぶなら
- 疲れが何週間も続く、だんだん強くなる
- 体重が減る、食欲がない状態が続く
- 息切れ、動悸、顔色の悪さが目立つ(貧血の可能性)
- 暑がり・寒がり、むくみ、体重の急な変化(甲状腺の病気の可能性)
- 気分の落ち込みや眠れない状態が続き、日常生活に支障がある
通販でまとめて買う前に
漢方は続けて飲んで様子をみる薬なので、通販のセールなどでまとめて用意したくなるかもしれません。ただし体質に合うかどうかは飲んでみないと分かりません。添付文書でも「1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止」とされています。
| 製品 | 1日量 | 1か月(30日)分の目安 |
|---|---|---|
| ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒 | 2包(1日2回) | 60包 |
| 十全大補湯エキス錠クラシエ | 12錠(1日3回) | 360錠 |
| ツムラ漢方当帰芍薬散料エキス顆粒 | 2包(1日2回) | 60包 |
| ツムラ漢方加味逍遙散エキス顆粒 | 2包(1日2回) | 60包 |
※ 15才以上の量です。箱の包数・錠数をこの1日量で割ると、何日分かが分かります。
- まずは1か月分で体質に合うかを確かめる
- 合うと分かってから、大きい箱やまとめ買いにする
- 1日量で割って「1日あたりいくらか」で比べる
- ほかの漢方やかぜ薬を飲んでいる人は、買う前に薬剤師・登録販売者に相談する
よくある質問
あります。補中益気湯、十全大補湯、当帰芍薬散、加味逍遙散は、いずれも効能や効能の前提に「疲れやすい」「疲労倦怠」が含まれています。どれが合うかは、疲れ以外の症状と体力の目安で選びます。
冷え症で貧血の傾向があり、むくみやめまいもあるなら当帰芍薬散、のぼせ・肩こり・いらだちなど気持ちの面の症状が目立つなら加味逍遙散が候補です。どちらも効能に更年期障害や月経不順が含まれています。
当帰芍薬散の効能には「産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)」が含まれています。ただし授乳中・産後の体調不良は、自己判断せず医師や薬剤師に相談してください。
同じ生薬が重なることがあるため、自己判断での併用は避けてください。まず1種類を選び、1か月で見極めるのが基本です。
何週間も疲れが続く、体重が減る、息切れや動悸がある、気分の落ち込みが続くといった場合は、貧血や甲状腺の病気などが隠れていることもあります。漢方で様子をみずに受診してください。
まとめ
- 疲れやすさの漢方は、疲れ以外の症状で選ぶ
- 胃腸の弱さ・かぜなら補中益気湯、病後・冷え・貧血なら十全大補湯
- 冷え症・むくみなら当帰芍薬散、のぼせ・いらだちなら加味逍遙散
- まず1種類を1か月試して見極める
- 長引く疲れは病気が隠れていることもあるので受診する
かぜをひきやすい体質については免疫力を上げる漢方は市販にある?、続ける期間は漢方はいつまで飲む?でまとめています。
出典:各製品の添付文書(KEGG MEDICUS 一般用医薬品情報 2026年9月16日版)、ツムラ各エキス顆粒(医療用)添付文書
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。症状の感じ方や適する薬には個人差があります。持病のある方、ほかの薬を使用中の方、妊娠中・授乳中の方は、薬剤師・登録販売者にご相談ください。