急な下痢で、手元にストッパと正露丸の両方がある。効きが足りないから両方飲もうか——と考える場面ですが、この2つは重ねて飲む薬ではありません。この記事では併用を勧めない理由と、症状によるどちらを選ぶかの分け方を示します。
ストッパと正露丸は、どちらも下痢に働く薬です。作用のしかたは違いますが、目的が同じ薬を重ねても効果が足し算になるわけではなく、副作用の出方だけが読みにくくなります。症状のタイプで一方を選ぶのが正しい使い方です。
- ストッパと正露丸はどちらも下痢に働く薬。重ねる意味がない
- 突発的な差し込む下痢はストッパ、食あたり・軟便は正露丸が噛み合う
- ストッパは15歳未満不可、正露丸は5歳未満不可と年齢制限が違う
- 繰り返す軟便や、下痢を止めたくない場面では整腸剤という選択肢もある
ストッパと正露丸は、何が違うのか
同じ「下痢止め」でも、体の中での働き方がまったく違います。ここが選び分けの基準になります。
| ストッパ下痢止めEX | 正露丸 | |
|---|---|---|
| 主成分 | ロートエキス、タンニン酸ベルベリン | 日局木クレオソート(生薬配合) |
| 働き方 | 腸の異常な収縮を抑え、腸粘膜の炎症を抑える | 腸の正常な運動は止めず、腸内の水分バランスを整える |
| 得意な症状 | 突発性の下痢、痛みを伴う下痢 | 軟便、食あたり、水あたり、消化不良による下痢 |
| 飲み方 | 水なしで飲める(口の中で溶かす) | 食後30分以内に水またはお湯で |
| 用法(成人) | 1回1錠、1日3回まで(間隔4時間以上) | 1回3粒を1日3回 |
| 年齢制限 | 15歳未満は不可 | 5歳未満は不可 |
| 眠気 | 眠くなる成分を含まない | 眠くなる成分を含まない |
※ 5〜14歳には小中学生用のストッパが別に用意されています。年齢に合った製品を選んでください。
重ねて飲まないほうがよい3つの理由
どちらも「下痢を抑える」ことを目的にした薬です。作用のしかたが違うからといって、重ねれば倍効くというものではありません。どちらが効いたのか分からなくなり、次に選ぶときの手がかりも失われます。
ストッパに含まれるロートエキスには、口の渇き、目のかすみ、尿が出にくいといった作用があります。ここに別の薬を重ねると、どの成分による症状なのか判断できなくなります。緑内障や前立腺肥大のある方は特に注意が必要です。
ウイルスや細菌による下痢では、止めることでかえって回復が遅れることがあります。発熱を伴う、家族に同じ症状が出ている、生ものを食べた後といった場合は、下痢止めを重ねるより水分補給を優先してください。
どちらを選ぶか、迷ったときの考え方
突発的で差し込むような痛みを伴う下痢ならストッパ、食あたりや軟便なら正露丸が噛み合います。一方、繰り返す軟便や「止めたくない下痢」には整腸剤という選択肢があります。
ビフィズス菌と2種類の乳酸菌(いずれもヒト由来)を配合した整腸薬です。下痢を止める薬ではなく、腸内環境を整えるものなので、止めないほうがよい下痢のときにも使えます。毎日続けやすい設計です。
納豆菌・乳酸菌・ビフィズス菌に加え、ガスを減らすジメチルポリシロキサンと胃を整える生薬を配合。整腸に加えて腹部膨満感やもたれにも向く設計です。
- 下痢止めどうしを重ねないでください。目的が同じ薬は一方に絞ります
- 発熱・血便・激しい腹痛を伴う下痢には、下痢止めを使わず受診してください
- 水分と電解質の補給を最優先に。経口補水液をひと口ずつこまめに
- 緑内障、前立腺肥大など排尿困難のある方は、ロートエキスを含む薬の使用前にご相談ください
- 年齢制限が製品ごとに違います。お子さまには必ず年齢に合った製品を選んでください
- 血便が出る、便が黒い
- 38度以上の発熱を伴う
- 半日以上尿が出ない、唇や口の中が乾いている
- 激しい腹痛が続く
- 下痢が3日以上続く、または悪化している
- 海外渡航後の下痢
それぞれの詳しい解説
よくある質問
おすすめしません。効かないと感じたときは重ねるのではなく、症状のタイプに合っているかを見直してください。それでも改善しない場合は受診をご検討ください。
強さで比べる薬ではありません。突発的な差し込む下痢にはストッパ、食あたりや軟便には正露丸というように、向く場面が違います。
組み合わせによります。整腸剤は下痢を止める薬ではないため併用しやすい場合もありますが、購入時に薬剤師・登録販売者へお手持ちの薬を伝えてご相談ください。
ストッパは15歳未満、正露丸は5歳未満が服用できません。5〜14歳には小中学生用のストッパがあります。年齢に合った製品を選んでください。
まとめ
ストッパと正露丸はどちらも下痢に働く薬なので、重ねて飲む意味がありません。突発的で痛みを伴う下痢ならストッパ、食あたりや軟便なら正露丸というように、症状のタイプで一方を選んでください。繰り返す軟便や、止めないほうがよい下痢には整腸剤が選択肢になります。
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。症状の感じ方や適する薬には個人差があります。持病のある方、ほかの薬を使用中の方、妊娠中・授乳中の方は、薬剤師・登録販売者にご相談ください。