かぜ薬を飲んでも咳だけが止まらないとき、咳止めを足したくなります。しかしかぜ薬にも咳の成分は入っています。この記事では成分を並べて重複を確認し、咳が残る段階で何を選べばよいかを示します。
総合感冒薬と咳止めは、どちらもジヒドロコデインとdl-メチルエフェドリンを含むことが多く、重ねると眠気・便秘・動悸が強く出ます。熱や鼻の症状が治まって咳だけ残っているなら、かぜ薬をやめて咳止めに切り替えてください。
- かぜ薬にも咳を鎮める成分が入っている
- ジヒドロコデインの重複は眠気・便秘、まれに呼吸抑制につながる
- 熱や鼻が治まって咳だけ残ったら、かぜ薬から咳止めへ「切り替える」
- 痰が主症状なら咳止めではなく去痰薬のほうが噛み合う
成分を並べて確認する
エスタックEXネオ(かぜ薬)とパブロンS咳止め(咳止め)を、はたらきごとに並べます。
| はたらき | エスタックEXネオ(かぜ薬) | パブロンS咳止め(咳止め) |
|---|---|---|
| 咳中枢を抑える | ジヒドロコデイン 24mg(1日量) | ジヒドロコデイン 30mg(1日量) |
| 気管支を広げる | dl-メチルエフェドリン 60mg | dl-メチルエフェドリン 75mg |
| 痰を出しやすくする | アンブロキソール 45mg | ブロムヘキシン 12mg |
| 鼻水を抑える | クロルフェニラミン 7.5mg | カルビノキサミン 12mg |
| 熱・痛みを抑える | イブプロフェン 600mg | — |
| カフェイン | 無水カフェイン 75mg | 無水カフェイン 150mg |
※ 赤い欄が重複しているはたらきです。製品の仕様は変更されることがあります。服用前に必ずお手元の添付文書をご確認ください。
重ねてはいけない3つの理由
どちらもジヒドロコデインを含み、合計すると1日54mgになります。強い眠気と便秘が出やすくなるほか、量が増えるほど呼吸が浅くなる作用も強まります。ぜんそくのある方や高齢の方では特に注意が必要です。
気管支を広げる成分ですが、心臓にも作用します。重ねると動悸、手の震え、寝つきの悪さが出やすくなります。高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病のある方は特に避けてください。
熱やのどの痛みが治まった段階で総合感冒薬を飲み続けると、いま必要のない解熱鎮痛成分まで飲むことになります。咳に絞った薬へ切り替えるほうが、体感も副作用の面でも合理的です。
ではどうすればいいか
足すのではなく、咳の中身に合わせて1剤に切り替えてください。

咳を鎮める成分に、痰の粘りを下げるブロムヘキシンを組み合わせた咳と痰に絞った薬です。解熱鎮痛成分を含まないので、熱が下がった回復期の咳に噛み合います。

L-カルボシステインとブロムヘキシンを配合した去痰専用の薬です。痰の粘りそのものを下げて出しやすくします。眠くなる成分を含まないため、日中に運転や仕事がある方でも使えます。
- かぜ薬と咳止めは「どちらか一方」。同じ日に両方の箱を開けないでください
- 前の薬の次の服用予定時刻を目安に切り替えると、重複を避けられます
- 12歳未満のお子さまにジヒドロコデインを含む薬は使用できません
- 高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病のある方は、dl-メチルエフェドリンを含む薬の使用前にご相談ください
- 咳が2週間以上続いている
- 血の混じった痰が出る
- 息苦しさ、ゼーゼーする、横になると咳が悪化する
- 38度以上の発熱が続く、胸の痛みがある
- 体重が減っている、寝汗が続く
よくある質問
熱とのどの痛みが治まり、咳だけが残った段階が目安です。前の薬の次の服用予定時刻から切り替えてください。
自己判断での併用はおすすめしません。パブロンS咳止めのように咳と痰の両方に働く薬が1本あるので、まずはそちらをお試しください。
横になると悪化する咳は、後鼻漏や逆流性食道炎、ぜんそくが関わっていることがあります。市販薬で2週間改善しない場合は受診してください。
麦門冬湯などは鎮咳成分を含まないため組み合わせやすい場合がありますが、甘草の重複などもあります。購入時にご相談ください。
まとめ
かぜ薬にも咳の成分は入っているため、咳止めを足すとジヒドロコデインなどが二重になります。熱や鼻が治まって咳だけ残ったら、かぜ薬をやめて切り替えてください。咳き込みが中心ならパブロンS咳止め、痰が中心ならストナ去痰カプセルが噛み合います。
本記事は市販薬の成分と特徴をもとにした一般的な情報です。実際の可否は体質・持病・服用中の薬によって変わります。判断に迷うときは、薬剤師・登録販売者にお手持ちの薬を見せてご相談ください。