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マスクで風邪は防げる?予防に市販薬が使えない理由を薬剤師が解説

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冬になると「マスクをしていれば風邪をひかない」と考えがちです。しかしマスク単独の予防効果は限定的で、さらに市販薬にはかぜを予防する効能そのものがありません。この記事では、予防に効くもの・効かないものを切り分け、ひきはじめに何をすべきかまで整理します。

結論
マスクだけでは防ぎきれず、市販薬に予防効能はありません

マスクは顔とのすき間からウイルスを含む飛沫が入るため、着けているだけで感染を防ぎきることはできません。一方で、咳のある人が着ける使い方と、手洗いとの併用には効果が確認されています。そして総合感冒薬・かぜ薬は症状をやわらげる薬であり、予防のために飲む薬ではありません

この記事の要点
  • マスク単独の予防効果は限定的。すき間から飛沫が入るため防ぎきれない
  • 最も効果的なのは「咳のある人が着ける」使い方。周囲への拡散を減らせる
  • 家庭内でマスクと手洗いを併用すると、呼吸器感染症の発症率が大きく下がったという報告がある
  • 市販のかぜ薬に予防効能はない。飲んでも感染は防げず、副作用だけが増える
  • 市販薬の出番は予防ではなく「ひきはじめ」。漢方はこの場面で使われる

予防に効くもの・効かないものを分ける

「風邪予防」とひとくくりにされがちですが、実際には効果の裏づけがまったく違います。

手段 予防効果 押さえておくこと
手洗い 裏づけがある 外から帰ったら石けんと流水で。最も基本的で効果が確認されている
マスク(咳がある人が着ける) 裏づけがある 周囲への飛沫の拡散を減らせる。うつさないための使い方
マスク+手洗いの併用 裏づけがある 家庭内で発症率が大きく下がったという報告がある
マスク単独(自分を守る目的) 限定的 すき間から飛沫が入るため、着けているだけでは防ぎきれない
インフルエンザワクチン 医療機関で受けられる 発症や重症化を抑える目的。流行前の接種が前提
市販のかぜ薬・総合感冒薬 予防効果はない 症状をやわらげる薬。予防目的で飲む使い方は想定されていない
市販のビタミン剤・栄養ドリンク 予防効果はない 体力低下時の栄養補給であり、感染を防ぐものではない

※ 市販薬の効能・効果は製品ごとに定められています。「かぜの予防」を効能に持つ市販薬はありません。

なぜ市販薬で予防できないのか

1

かぜ薬は症状をやわらげる薬だから

総合感冒薬に入っているのは、熱や痛みをやわらげる成分、鼻水を抑える成分、咳を鎮める成分です。どれもウイルスの侵入や増殖を止めるものではありません。症状が出ていない段階で飲んでも、抑える対象がないまま副作用のリスクだけを負うことになります。

2

そもそも効能に「予防」がないから

市販薬は、承認された効能・効果の範囲で使う医薬品です。かぜ薬の効能は「かぜの諸症状の緩和」であって、予防は含まれていません。予防目的で飲み続けることは、想定されていない使い方になります。

3

かぜの原因ウイルスは200種類以上あるから

かぜを起こすウイルスは非常に多く、特定の1つを狙い撃ちする市販薬は存在しません。インフルエンザのように予防薬があるのは、原因ウイルスが特定されている場合だけです。そしてその予防薬も市販では買えません。

では、ひきはじめに何を使うか

市販薬の出番は予防ではなく、寒気やだるさを感じた「ひきはじめ」です。症状の出方で向く漢方が変わります。

ゾクゾクする寒気、頭痛、首や肩のこわばりがある場合

葛根・麻黄・桂皮などを配合した漢方で、かぜの初期(寒気・頭痛・首や肩のこわばり)に向く処方です。ひきはじめに使う薬なので、症状が進んでからでは噛み合いません。眠くなる成分を含みません。

強い寒気とともに高熱、ふしぶしの痛みが出ている場合

麻黄・桂枝・杏仁・甘草を配合した漢方で、かぜの初期の寒気・高熱・ふしぶしの痛み、インフルエンザ様の症状の初期に向く処方です。ただし高熱が続く場合は自己判断で粘らず受診してください。

予防のために本当にやること
  • 外から帰ったら、石けんと流水で手を洗う。最も裏づけのある方法です
  • 咳やくしゃみが出ているときは自分がマスクを着ける。うつさないための使い方が最も効果的です
  • インフルエンザのワクチンは流行前に。発症や重症化を抑える目的で受けられます
  • 室内の湿度を保ち、睡眠と食事を確保する。体調が落ちているときほど感染しやすくなります
  • 市販のかぜ薬を予防目的で飲まない。効果がないうえ、眠気や胃腸への負担だけが残ります
ひきはじめでも受診を考えるサイン
  • 38度以上の発熱が急に出た(インフルエンザの可能性)
  • 息苦しさ、胸の痛みがある
  • 水分がとれない、ぐったりしている
  • 持病がある方、妊娠中の方、高齢の方、乳幼児
  • 市販薬を5〜6日使っても改善しない

よくある質問

Q. 風邪をひきそうなときに、かぜ薬を先に飲んでおくのは効果がありますか。

効果は期待できません。かぜ薬は出ている症状をやわらげる薬で、感染を防ぐ働きはありません。症状がない段階では副作用のリスクだけが残ります。

Q. 葛根湯は予防に飲んでもいいですか。

葛根湯の効能はかぜの初期症状であって、予防ではありません。寒気やこわばりを感じた「ひきはじめ」に使う薬です。

Q. マスクは意味がないということですか。

そうではありません。咳のある人が着ける使い方と、手洗いとの併用には効果が確認されています。「着けていれば自分は安心」という考え方が実態と合わないということです。

Q. うがい薬は予防になりますか。

製品の効能は口腔内・のどの殺菌消毒であって、かぜの予防ではありません。のどのケアとして使うものと考えてください。

まとめ

マスクは着けているだけで自分を守りきれる道具ではありません。効果が確認されているのは、咳のある人が着ける使い方と、手洗いとの併用です。そして市販薬にはかぜを予防する効能がありません。予防でやるべきは手洗い・ワクチン・体調管理で、市販薬の出番は寒気を感じた「ひきはじめ」からです。

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本記事は市販薬の成分と特徴、公表されている情報をもとにした一般的な解説です。市販薬には感染症を予防する効能はありません。予防や治療の判断は医師・薬剤師にご相談ください。

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